書名 | 単著・共著 | 年月 | 発行所、発表雑誌 (及び巻・号数)等の名称 | 編者・著者(共著の場合のみ) | 該当ページ数 | 概要 |
被差別部落をめぐる周辺住民の関わり方と意識の現代的特徴 | 単著 | 1994年01月 | 京都大学人間・環境学研究科 修士論文 | | | 現代の差別事象を社会的なネットワーク上の社会現象と位置づけ、研究対象地域を限定しその地域に関する多様な資料を用いて、エスノメソドロジーが主張する「見えているが気づかない」性質を持つ人々の日常生活における常識的な考え方や価値観から差別事象や差別意識とを解きあかした。
その結果、この地域の周辺住民が持つねたみ意識は、生活に密着した対象に関するもので、具体的な形であることが明らかになった。この背景には、被差別部落や部落問題をできる限り回避しようとする社会的な価値観が存在しており、回避行動をすることが出来ない人々からねたみ意識が表出されることが多いことが明らかになった。また、経済的に非常に苦しい周辺住民が□にする「人の世話にはならない」いう非常に広く社会的に受け入れられている価値観が、ねたみ意識や部落に対する差別意識と関わっていることも明らかになった。 |
被差別部落をめぐる周辺住民の常識的知識と実践的推論 −同和政策に対する不満へのエスノメソドロジーの視点からの事例研究− | 単著 | 1996年06月 | 実験社会心理学研究 36巻 1 号 68-78頁 | | 68-78 | 被差別部落周辺地域の人々から同和政策に対する不満についての聞き取りを行い、エスノメソドロジーの概念である実践的推論と常識的知識を分析枠組みとして、被差別部落周辺住民の意識について考察した。その結果、被差別部落周辺からの不満の対象は、日常生活に密着した事柄であること、同和政策に不満を持つのは経済的に苦しい立場にある人々が多いこと、そして、同和政策に対する不満に一般的で抽象的な「公平」や、「人の助けを借りるべきではない」という価値観が動員されていることなどが明らかになった。《査読論文》 |
高年齢者雇用研究の課題 | 共著 | 1996年12月 | 光華女子大学紀要 34号61-71頁 | 高木浩人・石田正浩・益田圭 著 | 61-71 | 著者 高木浩人・石田正浩・益田圭
高年齢者の雇用のために、高年齢労働者の生産性に関して実証的に理論を深めねばならないこと、どうすれば高年齢者側の問題点を克服できるかについての検討、高年齢者がどのように職場に適応できるかについての検討の3点が必要であることについて考察を行った。さらに、高年齢者側が積極的に選択するものとしての早期退職制度についても検討を加え、働きたい高齢者が安心して働け、すべての被雇用者が積極的に自分の労働に関するライフスタイルを積極的に選択することについて提案を行った。共同作業で分析・執筆を行ったため分担部分の抽出不能。 |
International Review of Industrial and Organi- zational Psychology に見る産業・組織緒心理学研究の動向 | 共著 | 1998年01月 | 産業・組織心理学研究 10巻2号 121-130頁 | 田尾雅夫・高木浩人・石田正浩・益田圭 著 | 121-130 | 著者 田尾雅夫・高木浩人・石田正浩・益田圭
本論文は、International Review of Industrial and Organizational Psychology (以下IRIOPと略す)に掲載された論文を通じて,産業・組織一心理学における最近の研究動向をレビューすることである。IRIOPは1986年に創刊され、1996年の最新号に至るまで105縞に及ぶ論文を掲載してきた。産業・組織心理学の分野における代表的な学術雑誌の一つとされており、その内容をたどることによって、近年、この学問がどのような領域に関心を向け、その観念や方法論を発達させてきたかを概観できるものと確信する。以下では、7つにテーマを分け、それぞれに関連する論文を紹介することとしたい。7つのテーマとは、1.経営管理、2.組織行動、3.集団過程、4.健康、5.組織をとりまく環境の変化、6.国際比較,7.方法論である。共同作業で分析・執筆を行ったため分担部分の抽出不能。《査読論文》 |
Research in Organizational Behavior に見る産業・組織緒心理学研究の動向 | 共著 | 1998年08月 | 産業・組織心理学研究 11巻 2号 159-172頁 | 石田正浩・高木浩人・益田圭 | 159-172 | 著者 石田正浩・高木浩人・益田圭
本論文の目的は,Research in Organizational Behavior(以下ROBと略す)に掲載された論文を通じて、産業・組織心理学における最近に至るまでの研究動向をレビューすることである。1979年に創刊されたROBは,その後1996年までに154に及ぶ論文を掲載してきた.以下では,産業・組親心理学のテーマとして適当と考えられる5つを取り上げ,それに関連する論文に絞って紹介することとしたい。5つのテーマとは順に,1.経営管理,2.組織の中の個人,3.集団過程,4.組織をとりまく環境の変化,5.方法論である。とりあげた論文は,同一主題を複数の論文が扱っているものに限定した。共同作業で分析・執筆を行ったため分担部分の抽出不能。《査読論文》 |
A Study of Antecedents of Organizational Commitment. | 共著 | 1998年11月 | Japanese Psychological Research 40巻 4号 198-205頁 | Tao, M., Takagi, H., Ishida, M., & Masuda, K. | 198-205 | 著者 Tao, M., Takagi, H., Ishida, M., & Masuda, K.
さまざまな組織行動の理論から、仕事に関わる変数と組織へのコミットメントとの間に有意な関係が見られることが論じられている。203名の日本企業の労働者をサンプルとした調査から、組織コミットメントの4つの構成因子(愛着的・内面化・規範的・存続的)が、組織風土、上司の行動、組織勤続年数、役割の明瞭性によって影響を受けていることが明らかとなった。さらに、今後の検討課題などについても論じた。共同作業で分析・執筆を行ったため分担部分の抽出不能。《査読論文》 |
心理学領域における心理的差別への取り組み -その現状と必要性- | 単著 | 1999年10月 | 部落解放研究 130号51-61頁 | | 51-61 | 部落差別に関する心理的差別という問題に対して心理学という領域から検討をおこない、心理学領域での取り組みの現状とその必要性について検討を加えた。こうしたテーマに対して、心理学領域での取り組み現状が欧米や社会学領域に対して遅れているという現状、心理学領域での取り組みの遅れが偏見や差別意識の構造理解の遅れを、さらに人権教育や社会啓発への貢献の遅れをもたらすこと、心理学領域で必要と考えられる意図的ではない差別への注目と被差別者の心理の解明という取り組みという3点から論じた。 |
差別に関わる心理的メカニズム | 単著 | 2000年08月 | 部落解放研究 135号79-88頁 | | 79-88 | まず、差別、偏見、ステレオタイプという、三つの概念についての心理学的定義について整理をおこなった。そして、心理学において心理的差別や差別意識に対応する概念である、偏見の構造について、認知成分、感情成分、行動成分からなる三成分モデルについて検討をおこなった。さらに、外界にある無限に近い情報を処理して、人間がうまく生活していくうえで、認知的な節約が不可欠であり、そのためにパターン化された思考、判断、行動をおこなう人間本来の姿に注目した。こうした認知の節約家としての人間のメカニズムによって、差別が存在する社会においては、「当たり前」「常識」「普通」の行動パターンに無自覚にしたがうことによって、意図的ではないが、被差別者を差別・排除しうるという意図的ではない差別のメカニズムについても検討をおこなった。 |
相愛女子短期大学生の結婚と恋愛に関する意識 | 単著 | 2003年03月 | 相愛女子短期大学研究論集 50巻 23-32頁 | | 23-32 | 相愛女子短期大学人間関係学科の社会調査の授業で、企画、制作、配布、分析をおこなった結婚と恋愛に関するアンケートの分析結果をまとめたものである。アンケートを分析した結果、調査対象者の学生たちは恋愛については、ハラハラドキドキし、自分を高め、相手と認め合い、支え合い、比較的自由な人間関係として肯定的イメージでとらえている一方、結婚については時間や自由が束縛されるイメージでとらえているが結婚自体に否定的なわけではなく、非常に現実的なバランス感覚を持っていることが明らかになった。 |
被差別部落に関する意識と人権感覚の形成過程 | 単著 | 2004年02月 | 部落解放研究 156号 2-15頁 | | 2-15 | 被差別部落に関する意識や人権意識が形成される過程について、被差別部落出身ではない対象者の被差別部落との関わりに関する生活史の聞き取り調査データから分析・検討をおこなった。その結果、つぎの知見を得た。①その人にとっての関与が高い場合には、意識の形成・変化に大きな影響を及ぼす。②部落・部落問題に関わる領域は、職場、家庭、地域社会などの多重性を持ち、部落に関する意識は職場から家庭の領域へは影響を及ぼしやすいが、職場から、地域社会、家庭から地域社会や職場には影響を与えにくい。 |
相愛女子短期大学生のペットとダイエットに関する意識 | 単著 | 2004年03月 | 相愛女子短期大学研究論集 51巻 45-57頁 | | 45-57 | 相愛女子短期大学人間関係学科の社会調査の授業で、企画、制作、配布、分析をおこなったペットに関するアンケートと、ダイエットに関するアンケートの分析結果をまとめたものである。アンケートを分析した結果、ペットについてはこれまでにペットを飼った経験が大きく影響し、とくにペットを飼ったことのない人にとっては、コストを高く感じ、実際にペットと時間を過ごすことがコストではなく喜びを強めることが明らかとなった。ダイエットに関しては栄養に関して専門的な教育を受けているかどうかで意識の違いがあり、専門教育を受けていない場合にダイエットを一般的で肯定的ととらえる傾向があることが明らかとなった。 |
行政職員対象の人権意識調査の現状と課題 | 単著 | 2005年02月 | 部落解放研究 162号 16-23頁 | | 16-23 | これまであまり行われていない地方自治体による行政職員対象の人権意識調査について、その意義、現状、課題という点から検討を行った。人権問題の領域が広がりを見せる中で、人権施策策定・人権社会啓発の主体である行政職員の意識向上と社会的責任を果たすため行政職員の意識調査は必要であり、日常業務のなかで人権がどう位置づけられるかという視点からなされることが望ましいということが明らかとなった。 |
実習指導の効果を高める教育方法の研究 -保育所実習における学生の自己評価と現場評価の比較研究から- | 共著 | 2010年03月 | 相愛大学人間発達学研究 創刊号 31-38頁 | 中西利恵・大森雅人・益田圭・曲田映世・高濱麻貴 著 | 31-38 | 著者 中西利恵・大森雅人・益田圭・曲田映世・高濱麻貴
保育所実習における学生の自己評価と実習園の評価との比較と通して、実習に対するズレを明らかにして多様な学生に対する効果的な教育方法の開発のための参考とすることを目的としたもの。評価のズレが大きい学生が10%前後存在するが、これらの学生は自己評価を高く付ける学生と低くつける学生という正反対の2パターンに分かれこれらの学生たちには同じ教育方法では効果が期待手出来ず、学生のパターンに応じた教育方法の検討が必要であることを指摘した。
この論文では主に結果の分析を担当した。 |