プロフィール

 

教員基礎情報
氏名 岩口 摂子(イワグチ セツコ) 所属 子ども発達学科
ローマ字 専攻
性別


学歴
入学卒業学校名学部・学科学位
 1984年03月相愛大学音楽学部器楽学科ピアノ専攻芸術学士
1984年08月1985年08月インディアナ州立インディアナ大学大学院留学 
職歴(相愛大学)
開始年月終了年月学校名所属職名授業名
2005年12月現在に至る相愛大学人間発達学部設置審査適合専任助教授音楽A、音楽B、音楽C、乳幼児音楽概論、子どもと創造
2006年04月2010年03月相愛大学人間発達学部子ども発達学科専任助教授 
2010年04月現在に至る相愛大学人間発達学部子ども発達学科専任教授 
職歴(相愛大学以外)
開始年月終了年月学校名所属職名授業名
1986年04月1989年09月相愛高等学校音楽科非常勤講師 
1986年04月1999年04月相愛音楽教室 非常勤講師 
1986年04月1993年03月南海福祉専門学校保育科非常勤講師 
1990年11月1999年03月常磐会短期大学幼児教育科非常勤講師 
1993年04月1999年03月南海福祉専門学校保育科専任講師 
1999年04月2000年03月宮城学院女子短期大学保育科専任講師 
2000年04月2006年03月宮城学院女子大学学芸学部発達臨床学科専任助教授 
所属学会
日本保育学会 / 日本音楽教育学会 / 日本教育実践学会 / 日本応用教育心理学会
学協会活動
開始年月終了年月所属役職名
1994年07月現在に至る日本保育学会正会員 
1997年12月現在に至る日本音楽教育学会正会員 
2008年03月現在に至る日本教育実践学会正会員 
2009年05月現在に至る日本応用教育心理学会正会員 
社会貢献活動等
開始年月終了年月事項
1997年04月1999年03月守口市保育所保育研究会及び職員研修会講師(平成11年3月まで)
2013年01月現在に至る日本応用教育心理学会編集委員
2013年12月現在に至る日本応用教育心理学会理事
授業科目等(現年度を含む過去3ヶ年)
年度学期授業名
2021前期子どものためのピアノ奏法(発展)
2021前期子どものためのピアノ奏法(入門)
2021通年子ども学専門演習
2021通年保育・教育マネジメントB・C・D
2021前期音楽 (B)
2021前期音楽 (A)
2021前期子どものための歌と伴奏 (再)
2021後期子どものための歌と伴奏
2021後期子どものためのピアノ奏法(基礎)
2021後期保育内容総合表現A
2022前期子どものためのピアノ奏法(発展)
2022前期子どものためのピアノ奏法(入門)
2022通年保育・教育マネジメントB・C・D
2022通年子ども学専門演習
2022前期音楽 (B)
2022前期音楽 (A)
2022後期子どものための歌と伴奏
2022後期子どものためのピアノ奏法(基礎)
2022後期保育内容総合表現A

教員研究業績
研究分野: 幼児音楽教育学
研究キーワード: 保育者養成 / 音楽 / 保育 / 乳幼児 / 発達
教育上の能力に関する事項
教育方法の実践例
開始年月終了年月表題概要
2004年04月現在に至る音楽実技の授業における、習得目標の明確化と自律的学習促進のための授業ツール音楽実技の授業における、習得目標の明確化と自律的学習促進のための授業ツールとして、各学生のピアノスキルに応じて、毎回の学習内容と目標を設定し、それを達成するための方略を示した進度表を作成した。その進度を成績の一部となる平常点に反映させ、到達度を確認させながら、自律的に学習をさせ、一定の効果をあげている。
2013年09月現在に至る 練習報告書の作成学生が提示された練習方法を、毎日そして1週間、どれだけ順守して練習したか、またその練習によってどの程度弾けるようになったかを自己評価して報告させる「練習報告書」を作成した。練習報告書の提出率、練習に対する全体の自己評価、練習方略全体の順守率は、演奏成績と有意な相関を示し、一定の効果が認められている。
作成した教科書、教材
開始年月終了年月表題概要
2004年04月現在に至るカレッジピアノ ~教員養成のためのピアノメソッド~保育者・教員養成課程の音楽実技の指導では、時間的制約がある上に、現場では弾き歌いなど特殊な技術等も必要であるため、一般のピアノ教育とは異なる独自の教育内容と方法が求められる。そのため本書は、学生のピアノ学習への動機付けを高め、独習することへの抵抗感を少なくするという点から、広く親しまれている歌の旋律や曲のテーマを使った曲を多く取り入れて、歌の旋律や伴奏における、様々なポジション練習と運指を決定していくための方略について詳細に解説した。
2005年03月現在に至るピアノが弾ける3つのステージ ~楽しく無駄なくピアノをマスター~本書は先の『カレッジピアノ』の改訂版である。『カレッジピアノ』は保育者・教員養成課程の学生を主なターゲットにしていたが、その中で特徴的なメソッドの1つである「ブラインドタッチ」や「運指法」は大人の一般学習者にもそのまま適用できる。本書は大人の生涯学習教材としても使いやすいようにポピュラーの名曲を加え、親近感を持ちやすくするとともに、中級レベル以上の練習曲も増やして、さらに高度なテクニックを習得できるよう教材を構成した。また、学生が練習の際の参考になるよう、本テキスト全曲を実際に演奏して録音したCDも貸し出している。
2011年11月現在に至る[新版] ピアノが弾ける3つのステージ ~楽しく無駄なくピアノをマスター~本書は先のピアノが弾ける3つのステージの新版である。本書は出版以来、保育者・教員養成機関を中心に、様々なピアノ教育の現場で使われてきた。この改訂では、初級レベルから中級レベルへの移行を、よりスムーズにするために数曲を追加し、さらなる充実を図った。
2012年04月現在に至る「表現」がみるみる広がる!保育ソング90 ~魔法の伴奏で保育力アップ~本書は使う人のピアノレベルに応じて演奏でき、同時に保育のいろいろな表現活動に活かすことのできる幼児歌曲集でありテキストである。すべての曲に指番号を配し、伴奏を弾くためのヒントと、保育の表現活動へのアイディアやヒントを掲載した。保育の実践書は多く出版されているが、歌と造形活動をコラボしたあそびを多く提案している点は、本書の大きな特徴である。さらに身体活動のときのピアノの使い方、歌唱の際の声の出し方やミュージカルの作り方、生活の歌や明治の物語風唱歌の紹介なども掲載した。
その他
開始年月終了年月表題概要
1997年04月1999年03月守口市保育所保育研究会及び職員研修会講師期間中、守口市保育士を対象に、隔月、「子どもの音楽表現」をテーマに研修を、また職員研修会での講演を1回行った。
職務上の実績に関する事項
免許・資格
日付免許・資格概要
1984年3月1日中学校教諭1級普通免許(音楽)            高等学校教諭2級普通免許(音楽) 
その他
日付事項概要
 論文の引用など不明
研究業績に関する事項
著書
書名単著・共著年月発行所、発表雑誌 (及び巻・号数)等の名称編者・著者(共著の場合のみ)該当ページ数概要
カレッジピアノ ~教員養成のためのピアノメソッド~共著2004年04月東音企画  保育者・教員養成課程の音楽実技指導では、時間的制約がある上に、現場では弾き歌いなど特殊な技術等も必要であるため、一般のピアノ教育とは異なる独自の教育内容と方法が求められる。そのため本書は、学生のピアノ学習への動機付けを高め、独習することへの抵抗感を少なくするという点から、広く親しまれている歌の旋律や曲のテーマを使った曲を多く取り入れて、歌の旋律や伴奏における、様々なポジション練習と運指を決定していくための方略について詳細に解説した。(A4判、全100頁) 岩口摂子、小山和彦、水戸博道 担当部分:企画・立案から全体の編集
ピアノが弾ける3つのステージ ~楽しく無駄なくピアノをマスター~共著2005年04月東音企画  本書は先の『カレッジピアノ』の改訂版である。『カレッジピアノ』は保育者・教員養成課程の学生を主なターゲットにしていたが、その中で特徴的なメソッドの1つである「ブラインドタッチ」や「運指法」は大人の一般学習者にもそのまま適用できる。本書は大人の生涯学習教材としても使いやすいようポピュラーの名曲を加え、親近感を持ちやすくするとともに、中級レベル以上の練習曲も増やして さらに高度なテクニックを習得できるよう教材を構成した。 (A4判、全121頁) 水戸博道、小山和彦、岩口摂子
[新版] ピアノが弾ける3つのステージ ~楽しく無駄なくピアノをマスター~共著2011年11月東音企画  本書は先のピアノが弾ける3つのステージの新版である。本書は出版以来、幼児教育や初等科教員の養成機関を中心に、様々なピアノ教育の現場で使われてきた。初級レベルから中級レベルへの移行をよりスムーズにするために数曲を追加し、さらなる充実を図った。(A4判、全127頁) 水戸博道、小山和彦、岩口摂子 担当部分:テキスト全体の加筆・修正
「表現」がみるみる広がる!保育ソング90 ~魔法の伴奏で保育力アップ~共著2012年04月明治図書  本書は使う人のピアノレベルに応じて演奏でき、同時に保育のいろいろな表現活動に活かすことのできる幼児歌曲集でありテキストである。すべての曲に指番号を配し、伴奏を弾くためのヒントと、保育の表現活動へのアイディアやヒントを掲載した。保育の実践書は多く出版されているが、歌と造形活動をコラボしたあそびを多く提案している点は、本書の大きな特徴である。さらに身体活動のときのピアノの使い方、歌唱の際の声の出し方やミュージカルの作り方、生活の歌や明治の物語風唱歌の紹介なども掲載した。(B5判、全184頁) (編著)岩口摂子、高見仁志 担当部分:企画・立案から全体の編集、編曲
論文・解説等
書名単著・共著年月発行所、発表雑誌 (及び巻・号数)等の名称編者・著者(共著の場合のみ)該当ページ数概要
子どもの歌の嗜好性に関する一考察(2)-5歳児の旋律の好みについて―単著2004年03月宮城学院女子大学附属発達科学研究所 発達科学研究 第4号  1-9幼児の旋律の好みの傾向を把握することを目的に、幼稚園の5歳児を対象に、音階のみ異なる6つの旋律の聞き比べを行った。またその好みが幼児期特有のものかどうかを検討するために女子大生から得たデータと対比した。さらに幼児の好みの差異について、旋律を構成する音階が聞き慣れているかどうかという観点や、音楽経験の有無、性、気質との関連からも検討した。その結果、5歳児は、女子大生ほど好悪の差が顕著でなかったが、各音階を聞いたときの発言から、今まで考えられてきた旋律弁別能力よりも高い能力があるのではないかということが推察された。
幼児の旋律認知に関する一考察単著2005年03月宮城学院女子大学附属発達科学研究所 発達科学研究 第5号  1-114、5歳児と(その発達的な対比のために)女子大生を対象に、①何歳くらいで旋律(音階)の情緒的な意味が理解できるのか、西洋音楽の長調・短調のカテゴリーに入れるのが難しい音階を含めた6つの異なる音階で構成された旋律を聞かせて、顔の表情画尺度を使って回答させた。また②どの音階で構成されている旋律をよく聞き分けることができるのか、どの音階の組み合わせで比較したときによく聞き分けることができるのかを同定法に準じた方法で回答させた。その結果、4歳9ヶ月から5歳9ヶ月の間で大きな差がみられた。
幼児の旋律認知に関する一考察(2)単著2006年03月宮城学院女子大学附属発達科学研究所 発達科学研究 第6号  1-73、4、5歳児と(その発達的な対比のために)女子大生を対象に、顔表情画尺度の悲しい-うれしいを表す顔尺度を使い、音階の構成音数を7音に統一した旋律の、第3音、第6音、第7音の各音を単独で下変した場合、それらの音を全部下変した場合、それらの音を2音ずつ組み合わせて下変した場合、どの音も下変しなかった場合の8つの旋律における反応の違いを検討した。その結果、5歳児と女子大生とでは(顔尺度における)値の大きさには違いがあったものの、値の大きかった順は類似する傾向があった。また4歳児と5歳児と女子大生に共通する順位のものはエオリア、和声的短音階、7音長音階であった。3歳児は多くの音階で他の年齢と異なる反応を示していた。
延長保育の利用に見られる子育て観について共著2006年03月宮城学院女子大学研究論文集102号 31-45子育てに対する親の不安感や負担感が、延長保育の利用に影響しているのかどうか、また子育てに対する不安感や負担感の違いは、利用者の年齢や子どもの数によって説明できるのかどうかを探ることを目的に、保育所利用者に対して調査を行った。延長保育の非登録群の方が登録群に比べ、制度の利用に不安を感じており、負担感の強弱は子どもの数の多少や母親の年齢によるところが大きかった。また子どもの年齢が育児負担感の大きな要因となっていることも示唆された。 岩口摂子、古田倭文男、大庭彦三 担当部分:計画、調査、全体的な執筆
幼児における音楽と感情との関連-音楽を聴いた際に喚起する感情を測るための絵の選定について-単著2007年03月宮城学院女子大学附属発達科学研究所 発達科学研究 第7号  1-12幼児の音楽の感情評定には、非言語的な測定法の一つとして、顔表情尺度が用いられることが多いが、本来複合的な感情を有する音楽は、種類の少ない顔表情尺度で測れるほど、あるいはmajor/minorという相互に対極の概念をもつ1組の言葉だけで限定できるほど単純なものではない。そこで音楽同様、複合的な感情を持ち、幼児に親しみのある絵本の絵を感情評定に使えるか探るために、音楽の感情評定尺度AVSMを用いて、大学生に音楽と絵の両方の感情評定をしてもらい、それぞれの因子構造を分析しながら、幼児用のテストで使用する音楽とそれらにマッチする絵とを選定した。
幼児の歌の記憶共著2007年03月宮城教育大学紀要第41巻  65-71幼児の教材のリズム構造の違いに焦点をあて、リズム構造の客観的複雑性が、旋律の認識における難易と対応するのかを、4,5歳児を対象に、単純なリズムだけで構成された歌と、複雑なリズムで構成された歌の記憶再生実験において調べた。その結果、2つの年齢には、2つの旋律の成績の間に顕著な差はなく、複雑な旋律も単純な旋律と同様に再生できることがわかった。このことから、リズム構造の客観的複雑性が必ずしも認知や記憶の難しさにつながっているわけではないことや、異なる年齢の間に、旋律のリズム側面の再生成績に差がなかったことから、リズムの認知の発達はかなり早い時期に見られることがうかがえた。 水戸博道、岩口摂子、内山恵子 担当部分:資料収集、計画、調査、「はじめに」の執筆
幼児における音楽と感情との関連(2)-AVSMによって抽出された因子を特徴づける音楽・絵・言葉のマッチングについて-単著2008年03月宮城学院女子大学附属発達科学研究所 発達科学研究 第8号 1-11前年の論文の結果に基づき、①選定した音楽と絵を使って、幼児にそのマッチングテストを行った。その後、②音楽を聞いた際の、幼児の自由な語りや感想から、幼児が用いることのできる言葉を拾い出して、それらの言葉によって音楽の感情評定ができるか、その可能性も探るために、感情を形容する言葉を書いたカードを使っての調査を行った。①AVSMによって抽出された因子において正しいマッチングの頻度が高かったのは「抑鬱」と「強さ」であった。②音楽を聞いて感じた言葉が書かれているカードを複数選ばせ、コレスポンデンス分析にかけることによって、4,5歳の頃から初めて聞いた音楽であっても、大人と同じように曲の複合的な性格を捉えることができているのではないか、ということが推察された。
保育者養成における音楽教育の基礎研究2-簡易読譜力調査を通して-単著2008年03月相愛大学研究論集第24巻  191-213保育者を目指す学生の読譜苦手感の実態とピアノ学習の初期段階で基礎となる読譜力を測定し、読譜苦手感を形成するものは何か、読譜苦手感が基礎的な読譜力や演奏とどう関わっているのかを探索的に調べることを目的とした。読譜苦手感を構成する要素は、合成変数化において、音高面での苦手感とリズム面でのリズム感に分離するものと予想されたが不可分の性質を持っており、併せてピアノを両手で弾く際の右手左手のリズムの組み合わせの難しさや、拍を取りながら同時にリズムを刻むことの難しさも含むものであった。また、読譜苦手感は、日頃の授業の進度や演奏力にも関連することや、読譜苦手感に強く影響する要因として、学習期間の長さ、独力では読譜に取り組まない(組めない)という学習へのスタンス、レベル、高音部譜表でも数え読みをしているという要領の問題も示唆された。
定着化した保育歌唱教材における歌詞の特徴について (査読付)単著2008年10月日本教育実践学会 教育実践学研究第10巻第1号 21-30統計的手法を用いて,定着化している保育歌唱教材の歌詞の特徴を年代的に捉えるとともに,それを先行研究で得られている満1歳から満5歳までの子どもの言語の使用頻度を参照しながら言語の発達的な観点から検討した。出現した言葉を概観すると,子どもの身近な人や事物のほか,願望,可能性,連帯を示唆するような言葉や肯定的な評価,情緒的に快の意を示す語が多かった。年代別の言葉の特徴では,1944年までの歌は季節感や自然を扱ったものが多かった。1961年~1979年では抽象名詞がより多く混在するようになり,1980年以降は確信や願望を表すような抽象名詞がさらに増えてきた。また歌詞における各言葉の出現頻度と幼児の言葉の使用頻度においては弱いながらも相関が認められた。
保育者養成における音楽教育の基礎研究3-学生によるピアノの授業評価の分析-共著2009年03月相愛大学研究論集第25巻 151-168保育者養成課程における、ピアノ実技の指導法への有効な手がかりを得るために,授業評価アンケートを作成し実施した。そのデータから授業への総合満足度や,演奏得点を規定する要因,あるいはそれらに関わる要因間の関係性を明らかにするために,因果モデルによって分析を試みた。その結果、授業の「総合満足度」と「充実感」を規定するものは「教え方」であった。その「教え方」は、「参加しやすい授業環境」「レベルや理解に合わせた教授」「「丁寧でわかりやすい説明」によって強く規定されており、教員の教え方、特に授業の環境構成の重要性が示唆された。   岩口摂子、今岡淑子、大橋邦康、田口友子、西野雅千子、山本景子、横山由美子   担当部分:計画、調査、統計処理、全般的な執筆
保育者養成における音楽教育の基礎研究4-異文化間における音楽的感性の違いと異文化の音楽教育への応用-共著2010年03月相愛大学人間発達研究所 人間発達学研究 創刊号 17-26ガムランを使った異文化の音楽教育方法への糸口を見つけることを目的に,日本人の大学生(N=83)とインドネシアの大人(N=47)を対象に,西洋音楽とバリ・ガムランを聴いて,曲に感じる感情(高揚,強さ,荘重,陰鬱,軽さ,親和),および曲への好み評定してもらったものと音楽的特性(テンポ、音量の大きさ、リズムの活動性、アーティキュレーション)との関連を重回帰分析によって検討した。その結果,両民族で同じ音楽的特性に反応を示したのは「高揚」だけであった。また曲への好みは,どちらの曲も、インドネシア人の方が有意に高かった。 岩口摂子、横山由美子  担当部分:計画、調査、統計処理、全般的な執筆
日本と中国の幼児の歌における旋律比較 (査読付)単著2010年06月日本応用教育心理学会 応用教育心理学研究第27巻第1号 17-27本研究では,日本と中国の幼児の歌を取り上げ,それぞれの特徴を旋律の音の進行面から検討した。日本で2001年から2007年の間に初版された 10冊の幼児歌曲集のうち,4冊以上で重複した曲から,短調の歌と外来曲を除く43曲と,在日の中華学校の併設幼稚園で使用していた幼児歌曲集から,短調の曲と外来曲を除く,歌唱を目的とした43曲を対象に,調,音階の種類,曲の最低音と最高音,音域,4次推移までの音の進行について分析した。その結果,日本の幼児の歌は,機能和声の影響を強く受けているのに対し,中国の幼児の歌は曲の中でクライマックスが認められないような作曲法であり,1曲の中の最高音が1曲の中で,複数回出現し,跳躍音程の多い旋律構成になっていることが,独特の節回しを感じさせる一因ではないかと考えられた。
幼児における音楽と感情との関連(3)-日本と中国の幼児の,音楽における感情の理解についてー単著2011年03月相愛大学人間発達学研究第2号 27-36音楽的感性は文化化の過程によって形成されていくとされているが、民族は文化化における大きな要因であり、幼児期から既に民族間で音楽的感性に違いがあるのではないかと考えられる。そこで日本の幼児(N=75)と中国の幼児(N=60)を対象に,日本と中国のそれぞれ4つの伝統的な音楽を提示して,悲-喜と安寧-興奮の2つの顔表情尺度を用い,それぞれの音楽への反応について調べた。中国の幼児の方が曲と曲の違いを大きく感じ取っており,曲が表す感情と回答との一致率は中国の幼児の方が全体的に高かった。しかし,「興奮した感じ」を表わす中国の2曲では,日本の幼児の一致率の方が高く(1曲は有意差,1曲は有意傾向),中国の幼児の方はチャンスレベルに達していなかった。幼児期の音楽的感性と文化化の関連についてはさらに資料が必要である。
5音音階で構成された日本と中国の幼児の歌に感じる感情ー日本と中国の幼児と大学生間の比較をとおしてー(査読付)単著2011年04月日本応用教育心理学会 応用教育心理学研究第28巻第1号 3-15前論文に続く研究として、日本と中国の5音音階で構成された幼児の歌をどのように感じるか、日本の5歳児(N=72)と中国の5歳児(N=60)、日本のある大学の日本人学生(N=60)と同じ大学に留学している中国人学生(N=41)を対象に、5音音階で構成された日本と中国の幼児の歌をそれぞれ3曲ずつ聞かせ、「親近性」「高揚」「活動性」「好み」の各尺度で回答してもらい、民族、年齢、性差でその違いがあるか調べた。その結果、大学生では日本人の方が6曲における平均値の差が大きく、5歳児は、どちらの民族も大学生に比べ、6曲の平均値の差は小さかった。5歳児、大学生とも、中国人の方が日本人より歌への好みの得点が高く、歌の受容性が高いと思われた。
保育者養成課程の学生を対象にしたピアノ演奏不安尺度の開発とピアノ演奏不安の生成過程共著2011年06月神戸国際大学紀要第80号 1-12本研究の目的は、保育者養成課程の学生のためのピアノ演奏不安尺度の開発である。この尺度は「評価不安」と「基礎技術に関する不安」の2つの因子から成り立っており、その信頼性と妥当性が確認された。またこれら学習者の演奏不安の生成過程を考察するにあたり、ピアノ演奏不安に関する諸変数と学習年数との関係を偏相関分析により仮説モデルを構築し、そのモデルの適合性と因果関係を共分散構造分析によって検証した。その結果、①「基礎技術に関する不安」は「評価不安」に大きな影響を与えている、②「外側の指の動きにくさ」は「基礎技能に関する不安」を介して間接的に「評価不安」に影響を与えている、③「学習年数」が長くなればなるほど、「基礎技術に関する不安」を減少させ、そして「評価不安」をも減少させる、などの知見が得られた。 三宅義和、岩口摂子  担当部分:調査、考察の執筆
From student evaluations to teacher performance:a study of piano class instruction(査読付)単著2012年06月Music Education Research (Routledge) Vol.14 No.2 171-185保育者養成課程における、ピアノ実技の指導法への有効な手がかりを得るために,授業評価アンケートを作成し実施した。そのデータから授業への総合満足度や,演奏得点を規定する要因,あるいはそれらに関わる要因間の関係性を明らかにするために,4つの因子「教員の努力」「学生の努力」「充実感」「適切な課題」を抽出し、それらの関係性を構造方程式モデリングによって分析するとともに,ピアノのレベルによって,違いが認められるかも検討した。
保育者・教師養成課程の学生のピアノ練習に関する基礎研究(査読付)単著2014年05月日本応用教育心理学会 応用教育心理学研究第31巻第1号 49-61保育者・教師養成課程の学生のピアノ練習方法の開発をテーマに、学生のピアノ練習に対する態度や練習の様態などの調査と分析を行った。受講生へのアンケートから、ピアノ初級者はピアノ苦手感が強く、読譜で苦労し、指手が動きにくいが、学生生活の中ではピアノの練習の優先順位が高く、弾けたときの達成感もピアノ経験者に比して高いことがわかった。練習への態度や練習方法を尋ねた自由記述式の回答では、初級者の特徴として、具体的な練習方略の持ち合わせが少ない一方、上級者は練習のターゲットを把握していて重点的な練習を行っているなどの違いが見られた。今後、特に初級者に向けた具体的な練習方略が必要となるであろう。
ピアノ練習報告書が保育者・教員養成課程学生のピアノ練習に及ぼす効果(査読付)単著2015年08月日本応用教育心理学会 応用教育心理学研究第32巻第1号 31-42保育者・教員養成課程の時間的制約がある中、ピアノの練習効果をあげるための一つの方法として、練習報告書を試み、そのデータを使って、演奏成績への効果や、進度との関連について分析した。その結果、報告書の提出率、練習に対する全体の自己評価、練習方略全体の順守率は演奏点と有意な相関を示し、一定の効果が示唆された。さらに演奏点は、自己評価の全ての項目のほか、課題曲の習得目標を捉えること、分割練習、人前で演奏することを意識して弾くといった練習方略と正の相関があること、また同じ時間練習するならまとめてやるより、何日かに分割して練習する方がよいということも明らかになった。初級、中級、上級間では、演奏点、練習日数、練習総時間、複数の自己評価の項目の順守率において、有意な差が認められた。
保育者・教員養成課程のピアノ実技の授業研究単著2016年03月相愛大学研究論集第32巻 11-23これは保育者・教員養成課程のピアノ実技の授業に関わって行ってきた研究の総合論文である。まず学生による授業評価における定量データからピアノ実技科目の構造的な理解を試み、それをとおして教授法についての省察を行った。その結果、教員と学生との良好な関係性が授業の基本であること、実際の演奏力を身につけるためには授業外での学生のピアノ練習のあり方に、より注目しなければならないという知見を得た。その後、学生のピアノ練習の様態を調査・分析し、新たな練習方法の検討を行ってきた。本論文では、それら一連の研究をまとめ、その中で開発した練習方法とその効果について紹介し、さらに求められる課題を明らかにすることを目的とした。
明治の2つの時期の幼児唱歌と現在の幼児の歌における音楽的特徴の統計的検討(査読付)単著2017年03月相愛大学研究論集第33巻 33-42本研究では、明治20年頃の幼児唱歌、明治中期以降の幼児唱歌、現在の幼児の歌を比較し、時期による音楽的特徴の違いを捉え、主に幼児にとっての歌の歌いやすさの点から統計的に検討することを目的とした。明治の異なる2つの時期の幼児唱歌の数量化Ⅱ類による比較では、明治20年頃の幼児唱歌に作用していたのは影響の強さ順に、「弱起」「3/4、3/8、6/8」「四七抜き長音階ではない」「最高音が2点ホより上」であり、西洋の曲の影響が示唆された。一方、明治中期以降の幼児歌曲にもっとも強く影響していたのは「四七抜き長音階」、次いで「音域が9度以上」であった。明治20年頃と明治中期以降の幼児唱歌、現在の幼児の歌の3群での比較(χ2検定→残差分析)では、明治中期以降の幼児唱歌と現在の幼児の歌で「最高音が2点ホより上」「弱起」「3/4、3/8、6/8」の項目で-の有意性を示し、明治20年頃の幼児唱歌と比較すると、幼児にとって歌いやすくなっていると思われたが、四七抜き長音階の使用については、現在の幼児の歌では+の有意性がみられず、明治中期以降の幼児唱歌の特徴と考えられた。
講演会
題目年月概要
相愛大学総合研究センター公開講座:日本の近代 ~模倣と創造~ 「幼児歌曲における時代と歌の旋律性 -わらべうたと唱歌の旋律の系統」2017年02月 
その他
書名単著・共著年月発行所、発表雑誌 (及び巻・号数)等の名称編者・著者(共著の場合のみ)該当ページ数概要
子どもの歌唱場面における一考察(3) -5歳児の旋律の好みについて-単著2004年05月日本保育学会第57回大会(兵庫教育大学/神戸親和女子大学) 発表要旨集 492~493幼児の旋律の好みの傾向を把握することを目的に、幼稚園の5歳児を対象に、音階のみ異なる6つの旋律の聞き比べを行った。またその好みが幼児期特有なものかどうかを検討するために女子大生から得たデータと対比した。さらに幼児の好みの差異について、旋律を構成する音階が聞き慣れているかどうかという観点や、音楽経験の有無、性との関連からも検討した。
幼児の歌の再生について共著2006年05月日本保育学会第59回大会(浅井学園大学) 発表要旨集 620~621幼児の歌唱能力の特にリズム面に焦点をあて、歌詞と音高(線)を共通にし、単純なリズムだけの歌とタイやシンコペーションを多用した複雑なリズムの歌を作り、どちらの歌をどのように早く歌うことができるのか、その能力の差について、発達等の要因から検討した.。 内山恵子、水戸博道、岩口摂子
子どもの歌唱場面における一考察-幼児はどのように音階の異なる旋律を感じ取るのか-単著2006年05月日本保育学会第59回大会(浅井学園大学) 発表要旨集  618~6193, 4, 5歳児と(その発達的な対比のために)女子大生を対象に、悲しい-うれしい顔尺度を使い、音階の構成音数を7音に統一した旋律の、第3音、第6音、第7音の各音を単独で下変した場合、それらの音を全部下変した場合、それらの音を2音ずつ組み合わせて下変した場合、どの音も下変しなかった場合の8つの旋律における反応の違いを検討した。
Cognitive Representation of Music by Children Ages Four and Five (査読付)共著2007年07月The 6th Asia-Pacific Symposium on Music Education Research ISMEAsia-Pacific Regional Conference-2007 (Chulalongkorn University,Bangkok) Abstract : pp.62~63 62-63子どもの音楽的認知の発達を調べるために、子どもに曲を聞かせてそれを自由に描いて表わさせるという方法をとっていたが、さらに正確に把握をするために、4歳児と5歳児を対象に次のような実験を個別に行った。まず子どもたちは、単音のメロディーを聞き、その曲のピッチ、メロディーの輪郭、リズムの点において、似ている描画を見せられた。そのメロディーと描画に慣れた後、一部(ピッチまたはリズム)が変更されたメロディーを聞き、どのように変更されたか、その部分を描画上で示すように求められた。結果には個人差がみられたが、両方の年齢で、自由に描画を用いた以前の研究では報告されていなかった、洗練された表現が多くみられた。 水戸博道、岩口摂子、内山恵子
保育者養成におけるピアノ実技の授業評価の一分析 -授業満足度と演奏得点に影響を及ぼす要因について-共著2008年11月日本教育実践学会第11回研究大会 (相愛大学)研究大会論文集 37~38保育者養成におけるピアノ実技の授業の特性を生かした授業評価の質問紙を作成・施行し、授業への満足度や演奏力に影響を与える要因を、重回帰分析によって検討した。その結果、「総合満足度」に影響を与える要因は「参加しやすい授業環境」「課題量は適量」「興味・関心が持てた」「テスト得点」で、一方、テスト得点に影響を及ぼしていた要因は、「楽譜がよく読める」「スムーズに弾けるまで練習」「さらに学習したい」で有意に回帰された。 岩口摂子、今岡淑子、大橋邦康、田口友子、西野雅千子、山本景子、横山由美子
保育者養成課程の学生のピアノ練習に関する調査共著2013年11月日本教育実践学会 第16回研究大会(岡山大学)研究大会論文集 4-5ピアノ練習方法の開発を目的に、学生のピアノへの意識や練習の様態などの調査と分析を行った。受講生へのアンケートから、ピアノ初級者はピアノ苦手意識が強く、読譜で苦労し、指手が動きにくいが、学生生活の中ではピアノの練習の優先順位が高く、弾けたときの達成感もピアノ経験者に比して高いことがわかった。練習に際しての意識や練習方法を問うた自由記述式の回答では、初級者の特徴として、具体的な練習方略の持ち合わせが少ない一方で、上級者は練習のターゲットを把握していて重点的な練習を行っているなどの違いが見られた。 岩口摂子、大橋邦康、田口友子、横山由美子
保育者養成課程の学生のピアノ練習に関する調査2 ―練習報告書の効果について―共著2014年11月日本教育実践学会 第17回研究大会(鳴門教育大学)研究大会論文集 22-23保育者・教員養成課程の時間的制約がある中、ピアノの練習効果をあげるための一つの方法として、練習報告書を試みた。毎週提出された報告書の内容を統計的に分析し、次のような知見を得た。練習方略で順守率が高かったのは、片手やパート練習、難所重点練習、低かったのはメトロノームの使用であった。演奏点は練習方略項目の順守率が高いほど、有意に高かった。また練習日数は練習総分数には相関はあるが、練習日数は演奏点と相関がある一方、練習総分数は演奏点と相関がなかったことから、同じ練習量ではまとめてやるより、何日かに分割して練習する方が効果が高いのではないかと考えられた。また上級は他の進度に比べて練習日数が多いなど、進度によって、自己評価や順守している項目の平均値において違いが見られた。 岩口摂子、大橋邦康、田口友子、横山由美子