書名 | 単著・共著 | 年月 | 発行所、発表雑誌 (及び巻・号数)等の名称 | 編者・著者(共著の場合のみ) | 該当ページ数 | 概要 |
人格特性に関する他者からのフィードバックが自己概念に与える影響 | 共著 | 2005年07月 | 和歌山大学教育学部教育実践センター紀要,15 | 坂田真穂・竹田眞理子 | 187-195 | 発達段階において親や教師など、重要な他者から受けた自己の人格特性の評価が自己像形成に多大な影響を及ぼすことがある。本研究では、それが実際の自己像とは異なるフィードバックだったとしても、返された結果に対して、自己認識欲求の強弱、自己意識の在り方、評価信頼度の高低に関わらず、「当たっている」と感じていることが分かった。この結果を踏まえて、自己意識が未発達な児童生徒などに対しては特に、人格に関わる発言をする際には慎重な配慮が必要であることが警告された。 |
高等学校における学校カウンセリング―その実際と課題について | 単著 | 2006年03月 | 和歌山県高等学校・学校カウンセリング研究会「人間と人間」, 28 | | 25-33 | 日本の学校カウンセリングは平成7年の「スクールカウンセラー活用調査研究委託」事業から広がりをみせたが、北米では現在の学校カウンセリングの元となる活動は約100年前に開始された。米国のスクールカウンセラーは進路相談等を担当しており、心理相談はスクールサイコロジストが行っている。日本においては今後独自の発展が期待されるが、学校現場で「枠」の遵守など、カウンセリング文化の浸透における課題は多い。 |
不登校への家族療法的アプローチの試み | 共著 | 2007年02月 | 和歌山大学教育学部紀要―教育科学―, 57 | 坂田真穂、竹田眞理子 | 9-14 | 不登校のスクールカウンセリングを家族療法的視点から行い、そのプロセスを考察した。子どもの不登校に悩む父母が来談し、父母に対して子育て支援が行われた。かかわり方が分からず子育てに消極的になる父親の不安を受け止め、子どもを抱え込みすぎてしまう母親の寂しさを傾聴した。また、発達段階を視野に入れたかかわりを指南した。不登校の場合、子どもが登校しないことから子どもとの面接が難しい場合も多い。両親への子育て支援が子どもへの適切なかかわりを促し、不登校問題を解決する糸口になる。 |
スクールカウンセリングにおける不登校への取り組み―援助過程における「父親」「母親」役割の試み
| 共著 | 2007年02月 | 京都女子大学「発達教育学部紀要」, 3 | 坂田真穂、廣井亮一
| 23-32 | 両親が多忙であることから、幼児期より祖父母に養育されてきた少女とのスクールカウンセリング事例である。不登校となった少女にスクールカウンセラーである筆者が「父親」「母親」的援助を行った。子どもの発達にとって父親および母親が果たす心理的役割は大きい。しかしながら、実際の父母による充分な関わりが望めない場合は、カウンセラーが「父親」「母親」的役割としてかかわることで、心理的発達を促し、不登校問題の解決につながることが示唆された。また、発達段階に合わせて、コラージュや絵画などを用いた非言語的支援が有効であること、学校や教師との連携の重要性についても明らかになった。【査読有】
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スクールカウンセリングにおける不登校への取り組み―援助過程における「父親」「母親」役割の試み
| 共著 | 2007年02月 | 京都女子大学「発達教育学部紀要」, 3 | 坂田真穂、廣井亮一 | 23-32 | 両親が多忙であることから、幼児期より祖父母に養育されてきた少女とのスクールカウンセリング事例である。不登校となった少女にスクールカウンセラーである筆者が「父親」「母親」的援助を行った。子どもの発達にとって父親および母親が果たす心理的役割は大きい。しかしながら、実際の父母による充分な関わりが望めない場合は、カウンセラーが「父親」「母親」的役割としてかかわることで、心理的発達を促し、不登校問題の解決につながることが示唆された。また、発達段階に合わせて、コラージュや絵画などを用いた非言語的支援が有効であること、学校や教師との連携の重要性についても明らかになった。
【査読有】 |
高等学校における心理的支援に関する一考察~その特徴と課題 | 単著 | 2007年03月 | 和歌山県立紀央館高等学校 文部科学省指定学力向上拠点形成事業 平成18年度紀要 | | 12-15 | 概要:地方都市では高校生の不適応の支援機関はほとんどなく、高校生の問題は学校のみが抱えるため、高校における心理カウンセリングは重要である。しかし、通常のカウンセリングと比べ、高校で行われるカウンセリングには課題も多い。相談の「枠」の遵守困難や、在籍中という短期間の援助、単位取得と進級を意識した早期解決の必要性などである。教師とカウンセラーの相互理解と協働によって打開策を見出すことが重要だと思われる。 |
心の教室相談員による不登校支援の一事例―適応指導および教師との協働を通して | 単著 | 2007年07月 | 和歌山大学教育実践センター紀要, 17 | | 1-7 | 概要:本研究では「心の教室相談員」事業について論じた。心の教室相談員による不登校支援の事例を報告し、専門家とボランティアの中間的存在だからこそできる心理的支援について検討した。心の教室相談員が行う別室学習の指導や体験の共有は、スクールカウンセラー等による面接と共に重要であり、教師やスクールカウンセラーとの役割分担の下に協働することが有効であると示唆された。
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異文化間カウンセリングの実際と課題 | 単著 | 2008年03月 | 和歌山大学国際教育研究センター(IERセンター)年報4 | | 63-67 | 米国の大学付属カウンセリングセンターの概要および異文化間カウンセリングについて報告した。精神症状をもつ留学生は日本語での治療を希望する者が多いが、海外には日本語でメンタルヘルスケアを受けられる機会はほとんどない。また、言語だけではなく文化の違いを踏まえた関わりが重要であり、治療者および通訳者の異文化間カウンセリングのトレーニングが必要だと思われた。 |
特別支援の在り方と学力向上について | 単著 | 2008年03月 | 和歌山県立紀央館高等学校 文部科学省指定学力向上拠点形成事業 平成19年度紀要 | | 19-20 | 現在、普通学級にも軽度発達障害など特別支援を要する児童生徒が含まれているといわれている。教師が障害特性を理解し、板書の仕方や学習指導方法などを工夫することで、特別支援を必要とする児童生徒が劣等感やストレスによる二次障害避けられることもある。また、それらの工夫の多くは、障害のない児童生徒の学習にも役立つものが多い。さらに、児童生徒本人だけでなく、保護者への心理的支援や助言も大切である。 |
母親を求める女子高校生とのスクールカウンセリング | 単著 | 2008年07月 | 日本学校心理士会年報, 1 | | 41-50 | 本研究は、スクールカウンセラーとして行った女子高校生とのかかわりを基にしている。しかし、面接経過の中で問題の焦点となったのは、乳児期に両親に捨てられ、両親不在の中で育ってきたその生育過程であった。発達段階として、言語獲得前に受けた心の傷は、言語では表現できないことが多い。そのため、コラージュなどの非言語的表現を通して幼少期からの傷つきに寄り添い、各発達段階に積み残した課題を補う支援が続けられた。相談者が思春期に達していても、その傷つきが乳児期に遡るものであれば、乳児期からの心理的発達のありようを視野にいれた援助が重要であると考えられた。【査読有】 |
Effects of the failure in the adaptation to the foreign culture on the mental health of adolescents. | 共著 | 2010年01月 | 立命館大学人間科学研究所紀要「立命館人間科学研究」, 20 | 坂田真穂、廣井亮一 | 21-29 | 留学中に精神症状を発症した日本人大学生事例を元に、異文化適応への失敗が青年期のメンタルヘルスに及ぼす影響について、文化的アイデンティティの揺らぎという視点から検討した。母国文化へのアイデンティティが形成されないまま渡航し、渡航先において異文化適応に失敗すると、母国文化にも異文化にも自己を同一視できずアイデンティティの拡散が起こり、さまざまなメンタルヘルスの問題を引き起こすことが示唆された。【査読有】 |
視覚障害のある盲学校教員のストレスの研究 | 共著 | 2010年03月 | 京都大学大学院医学研究科人間健康科学専攻紀要「健康科学」, 6 | 坂田真穂、菅佐和子
| 53-56 | 視覚障害のある盲学校教員のストレスについて調査を行った。そのストレスの中心には、情報入手や移動、児童生徒の安全確保などへの困難さと、人間関係の困難さがあることが分かった。またストレスへの対処として、同僚に援助を依頼する際に気を配ったり、割り切ったりしていること、援助依頼を避けるために工夫していることが分かった。視覚障害のある盲学校教員はさまざまなサポートに加え、障害への正確な理解や相互援助の関係を求めていることが分かった。【査読有】
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教師のストレスについて(1)―質問紙調査の分析から― | 共著 | 2011年02月 | 和歌山大学教育学部紀要―教育科学―, 61 | 竹田眞理子、坂田真穂、菅千索、菅真佐子、菅佐和子
| 119-126 | 精神疾患等による教師の休職増加の背景にあるものとして、教師が直面するストレスが考えられるが、その実態は漠然としている。そのため、教師のストレスの実態をアンケート調査にて把握し、構造解明や改善方法の検討を行った。その結果、教師にとっては学級崩壊など児童生徒にかかわる問題が、また管理職にとっては保護者の苦情などがよりストレッサーになっていること、男性教員は女性教員と比べ児童生徒がよりストレッサーになっていること、20歳代の教員は保護者をよりストレスに感じていることなどが分かった。この結果から、教員養成課程や教職員研修を通じて、子どもや保護者へのかかわり方だけではなく、教師のストレスについて学ばせ、レジリエンスを高めることが重要だと思われた。 |
患者の自殺が看護師に与える心理的影響と臨床心理士による心理的支援の検討 | 単著 | 2013年01月 | 京都大学大学院教育学研究科紀要, 59
| | 485-497 | 医療現場における患者の自殺は増加している。本来は治療を目指す病院という場でおきる患者の自殺によって、その場に遭遇した、あるいは患者と関係の深かった看護師の中にはPTSD症状を呈する者もいる。そのような看護師への支援として、カンファレンス等を行う病棟も増加していたが、時期や頻度、内容などについては課題が残っていた。臨床心理士による個人および病棟単位での危機介入の必要性が明らかになった。【査読有】 |
献身的ケアにおける互酬性に関する一考察―ケア本来のありようと自己課題充足のためのケアを比較して― | 単著 | 2014年01月 | 京都大学大学院教育学研究科紀要, 60 | | 301-313 | 献身的ケアは、ケアを受ける者に一方的に与えられるものではなく、ケアを行う者にも得るものがある。ケアを受ける者は、身体へのケアを受けながら、その行為から心へのケアも同時に受け取る。また、ケアする者も金銭的報酬を受け取る一方で、相手の安楽に自己効力感を見出す。自身の欠乏感を満たすために他者をケアする者もいるが、自身がケアを受ける事でしか本来満たすことはできないものもあることが明らかになった。【査読有】 |
ケアにおけるケガレと女性性―看護の起源と発展という視点から― | 単著 | 2014年02月 | 和歌山大学教育学部紀要―人文科学―, 64 | | 59-64 | 古代、病は神の怒りにふれた罰であり、病や死は穢れとして捉えられていた。中世における宗教の興りと共に、ケアは宗教的功徳として担われるようになった。ケアが現代の科学的知識を基盤にした在り方になったのは近代に入ってからである。しかし、本来人間的行為であるケアが科学的・専門的職業として発展を続ける中で、現代医療のコンピュータ化やマニュアル化によって歪みが生じている。専門的でありつつも、その本質を見失わないケアの在り方が重要である。 |
急性期病院で勤務する医療従事者への心理臨床的支援の実践 | 単著 | 2014年02月 | 京都大学大学院教育学研究科附属臨床教育実践研究センター紀要,18 | | 104-114 | 職員相談室における医療従事者への心理的支援から、医療者は医療者アイデンティティが強いことから相談室を利用しづらい現状があると考えられた。そのため、医療者への心理的支援を行うには、相談室設置の場所を検討することが重要であると考察された。また、シフト制勤務者にとって来談しやすい相談室開室時間の工夫を行うことも重要であると考えられた。 |
性被害を契機にした身体と女性性における解離の解消過程―“見る”ことと“見られる”ことという視点から― | 単著 | 2014年06月 | ユング心理学研究, 7(1) | | 153-170 | 性被害を契機に来談した女性との面接をめぐって、来談者の真の課題であった身体や女性性の解離を解消した過程を検討した。男性を一面的に捉え、また、自分自身もその美しい外見から醜い身体病変部を切り離して一面的に生きようとしていた彼女は、簡単に男性と身体関係をもち、性それ自体はもはや女性性の成熟としての意味をもたなかった。しかし、性被害によりその身体病変を“見られ”たことが身体への侵入体験となった。さらに、男性の中にある二律背反性を“見る”ことと彼女自身の影を“見られる”ことが同時に起こったことで、自分の内なる光と影は分離させるべきではないことを知り、女性性の成熟は成し遂げられた。【査読有】 |
ケアにおける身体性―看護ケアにおける身体性が患者と看護師に与える心理的影響― | 単著 | 2015年01月 | 京都大学大学院教育学研究科紀要, 61 | | 93-105 | 身体には精神と分かつことができない、あるいは主体と客体のいずれにもなり得るという両義性や、身体を通じてメッセージを伝え得るという言語性がある。このことによって、ケアを行う者と受ける者は互いの心身に影響を及ぼし合っている。本稿では、看護師がケアの過程で葛藤を抱えた事例を提示した。事例から身体性のかかわりはケアを行う者に他者の自立を助け得たという実存感を感じさせる反面、無意識裡に相手への深い投影が起きる危険性を孕んでいる。【査読有】 |
“職業としてのケア”がもたらす“やりがい”と内的葛藤―ケア従事者への心理的支援に活かすス-パーヴィジョン知の提案― | 単著 | 2016年01月 | 『心理臨床スーパーヴィジョン学研究』創刊号 | | 7-19 | |
.看護師のストレスと心理的疲弊にかかわる要因 : 先行研究からの分類を通して | 単著 | 2016年03月 | ヒューマンケア研究16(2) | | 103-115 | 看護師のストレスや心理的疲弊に関する研究は膨大過ぎてストレッサーが把握しづらい現状がある。そのため、膨大な先行研究の結果からグループ化を行い、看護師のストレッサーになっているものについて明らかにした。その結果、勤務年数の浅さや勤務形態、性格要因等が看護師のストレスに関連が強いことがわかった。一方、子育て中であること等の家庭的要因はストレスとはなっていないことが明らかになった。また、それぞれの要因が複雑に絡み合ってストレス状況を作り出していることがわかった。【査読有】 |
ケアを職業とすることがもつ心理臨床的意味―看護師の心理的疲弊とその支援から― | 単著 | 2016年03月 | 京都大学教育学研究科博士学位論文
(教育学、京都大学、第185号)
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職業特性とスーパーヴィジョンに関する一考察―看護と警察の職業現場から― | 単著 | 2020年01月 | 『心理臨床スーパーヴィジョン学』6巻 | | 2-7 | |